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革の豆知識

革とは?

動物の皮を脱毛し、鞣して得られる製品で、鞣し革、革ともいう。
鞣していない生皮とは区別されるが、両者を合わせて皮革と言われている。
毛皮は毛をつけたまま鞣したもので、毛付きの原料皮を含めて広義には皮革に含まれる。原料皮として、ウシ・ウマ・ヒツジ・ヤギ・ブタ・シカなどの哺乳類のほか、ワニ・ヘビ・トカゲなどの、は虫類その他が用いられるが、牛皮の使用料が最も多い。

なぜ、皮を鞣(なめ)す?いつから?

人が体温を37℃を保つためには、防寒のための衣服が必要であった。衣服として植物繊維を利用するには紡ぐ、織る、編むといった技術が必要であるが、狩猟動物皮の場合は、これらの技術は不要である。しかし、皮の防腐、柔軟性化という技術が必要であった。
これが、"なめし“の始まりで、煙で燻したり(防腐作用)、叩いたり、揉んだりして皮の繊維を解かしやわらかくする技術が生まれ、"鞣し(なめし)”の技術が始まった。紀元前エジプトの古墳で発見された壁画にも印されており、有史以前から行われていた記録もある。

鞣す目的は?

動物の皮を脱毛した状態では、腐ってしまう。腐らないように加工し、皮から革へと変わる。柔軟性・耐熱性・吸湿性・耐水や耐久性が付与されて実用性に優れた革にする。
鞣し方法は、クロム鞣し・植物痰飲鞣し・油鞣し・アルミニウム鞣し・ホルムアルデヒド鞣しなど多くの種類があるが、クロム鞣しが最も多い。

革の定義

・オリジナルの線維構造を多少とも元のまま保持し、腐らないように鞣した皮革。
・表面塗装した革の場合、塗装膜の厚さは0.15㎜以下でなければならない。日本エコレザー基準(JES)では革の定義として、動物皮の皮膚断面構造を損なわず鞣しがおこなわれ、表面仕上げ塗膜が0.15㎜を超えないこと、かつ、断面構造の70%が革であることを定義している。

※革の定義から外れる革とは
鞣しの前後に層状に漉かれたり分離されたりした皮からも製造されるが、鞣した革を機械的および科学的に繊維状、粒状、小片あるいは粉状に粉砕し、シート状あるいは他の形状にしたものと皮革では定義しない。

注意:
バイキャストレザーと言って、革を粉砕し集め加工し、表面を塗装した革が張り込まれている家具もある。革のように見えるが、表面強度が弱いため、購入する際はしっかり確認し購入しましょう!

皮の損傷

動物の皮膚は育成過程で虫による傷、イバラ、鉄柵等によるかき傷、病気やふんなどによる皮膚の障害などを受ける。また、焼印といった牧場主が所有物を明らかにするため、臀(デン)部等に焼きゴテで印をつける場合がある。この部分は火傷として皮膚が損傷している状態となる。
このような育成過程でついてしまった傷があることで、革の品質に大きく影響してくる。損傷の大きな皮は下級品に位置づけられる場合が多くなる。傷を隠すために、革の表面を加工し「塗り革」ができる。

植物タンニン鞣しとは

茶褐色で光により暗色化されやすい。低㏗では淡色、高㏗では濃色となる。堅牢で摩擦に強く伸びが小さい。可塑性が大きく成形性が良い。革は重く耐熱性が劣る。
ヌメ革は、表低革より薄くて柔らかく、成牛皮、豚皮などを原料とし、鞄などの革工芸用に用いられる。ブランド品で有名なルイ・ヴィトン【Louis Vuitton】によく使われており、飴色に変化していく性質を持っている。

クロム鞣し

現在ではクロム鞣しという方法が最も多く、世界中で約80%を占めている。青色で柔軟性・弾力性・引張強さ・耐久性・染色性に優れているが、ヌメ革に比べ可塑性が幾分落ちる。
※可塑性とは圧力を与えた時に生じた変形が、圧力を取り除いても戻らないバッグや靴、家具や車シートなどあらゆる種類に使われている。

銀付き革、または銀面とは

皮から革に加工する工程で、脱毛します。その脱毛した面の一番上にあるのが銀面と言われている部分です。この面が無いと強度が落ちます。またこの銀面模様を生かし、その上に仕上げを行った革を銀付き革と言います。ほとんどの革が銀付革と言えます。

スエードとは

革の肉面(銀面の反対側の床面)バフしベルベット上に起毛させ作った革となります。主に子牛革、羊革、豚革などの小動物革に適用される。一般的に染色摩擦堅ろう度や防水性に劣る場合がある。

バックスキンとは

間違って使われていることが多い呼び名である。本来は牡鹿(Buck)皮の銀面を除去し、ケバ立てヌバック調に仕上げた革のことである。販売店などでは床革ベロアやスエードをバックスキンとして表現しているお店も存在する。外観的にはスエード革と同様なタイプである。

ヌバックとは

スエード革と異なり銀面を軽くバフし短い毛を立てたもので、スエード革と比べると毛足が短い。高級品は子牛革を原料とするが、成牛革や豚革から作られる。

シュリンク革とは

鞣しの段階で合成タンニンなどを使用して革の表面を収縮させて独特のシワをつけた革となる。仕上がった革をドラム中でシワをつけたもの(シボ出し)、革表面を揉んでシワをつけたもの(エルク)もあるが、これはシュリンク革とは言わない。

本革と合皮(合成皮革)の見分け方

本革=天然皮革は文字通り動物の革(皮から鞣し、革となる)です。フェイクレザー=合成皮革は人工的に作られたものですので基本的にビニールです。※ソフトレザー(PVCやPU)などなど 表面からの見た目では判別つかない物もございますが、見分けるポイントは裏面です。
裏側に毛のある素材(スエード的)が見えた場合は、本革。布っぽい物が見える場合は、合成皮革素材。
本革には温かみがありますが合皮にはありません。
そして本革は皮膚と一緒でお手入れ(保湿)が必要ですが合皮に保湿は必要ありません。
天然皮革にしかない味やキズを楽しめる点も、合成皮革素材と異なる点です。

本革は一生ものと言いますが・・・

本革の場合、表面に加工してあるorしていない。でも、大きく長持ち度が変わって参ります。 その加工方法の違いもありますが、定期的なメンテナンス=保湿をしていけば、非常に長く使えます。
表面をクリーニング後の保湿で問題ございません。どんな革も同じメンテナンス方法では無いので、ご注意ください。
また、与え過ぎも革がお腹いっぱいになり、白ボケてしまいますのでご注意ください。保湿するメンテナンス剤に関しましても、当店でも販売いたしておりますのでお気軽にお問い合わせください。

革製品の飲み物等をこぼしてしまった場合

食べこぼしや飲みこぼしによって汚してしまった場合は、迅速に拭き取ることが大切です。長時間放っておくとシミや変色の原因になってしまうので良く絞った柔らかい布ですぐに拭き取ってください。
また、ゴシゴシ力強くこするのは革に傷がついてしまったり、色落ちしてしまうため厳禁です!
もし、シミ痕として残ってしまったからと言って、強力な汚れ落とし液やアルコール消毒液は絶対に使わないでください。表面が溶けたり、ただれたりしてしまいます! 慌てて乾かそうとドライヤー等の高熱を加えない方が良いです。
このように、染み汚れ=革の中に入ってしまった汚れとなるので、革修理・修復のプロにご相談ください。

ブランド品を正規店以外で直すと、その後のメンテナンスも対応してくれない

正規店でご購入された方は、まず購入した正規店にご相談ください。私たちが革修理・修復することで、正規品では無くなります。
正規店やメーカーさんで修理修復を断られる場合もあります。そんな時はお気軽にご相談ください。
エナメル修理として変色・黄ばみ・色移り・べたつき・めくれ・剥がれ・白ボケ などは、まず対応してくれません!
その他でも、正規店で対応不可と言われても諦めずに、革の乾燥が進む前に、お早めにお声かけください。

金具類の破損は直すではなく交換

基本的に金具類が折れたり、壊れたりすると交換修理となってしまいます。ブランド品になりますと、ブランドロゴ文字が刻印されているのも多くあり、当然そちらの再現はできないため、何も書いていない金具に交換となります。
いろいろな金具が使われているため、一概には言えませんが!壊れた部分だけを作り直し、使えるように修理した事例もあります。
ホック金具になりますと、ほぼ交換修理となります。その場合のお問い合わせは、金具の裏面がどのように固定されているかで、修理値段が変わってきます。
単純にホック金具交換で済む場合と、縫ってある縫製を解きホック金具を交換する場合がありますので、ご注意ください。金具類の破損もお気軽にご相談ください。